【本日の一冊】
池谷 裕二
池谷
「やる気」を生み出す脳の場所があるんですよ。側坐核と言いまして、脳のほぼ真ん中に左右ひとつずつある。(中略)
ところが、側坐核の神経細胞はやっかいなことに、なかなか活動してくれないのです。どうすれば活動をはじめるかというと、ある程度の刺激が来た時だけです。つまり、「刺激が与えられるとさらに活動してくれる」ということでして・・やる気がない場合でもやりはじめるしかない、ということなんですね。そのかわり、一度はじめると、やっているうちに側坐核が自己興奮してきて、集中力が高まって気分が乗ってくる。だから「やる気がないなぁと思っても、実際にやりはじめてみるしかない」のです。
糸井
やりはじめる前に、やる気がないのは当然なのですか?
池谷
はい。やってないから、やる気が出なくて当たり前です。
【感想】
本日紹介するのは、気鋭の脳研究者と有名コピーライターが脳の働きについて語り合った一冊です。
池谷さんはまだ30代の脳科学者ですが、脳に関する本をいくつも出版している方です。
糸井さんはいわずと知れた、コピーライター。
そんな二人が、脳、とくに池谷さんの専門分野である「海馬」について語り合います。
池谷さんの発言を受けて、それを糸井さんがわかりやすく何かに例える、というパターンが多いです。
ところどころ、糸井さんならではのユニークな視点からの発言があり、それが読者の理解を助ける役目を果たしています。
また脳のくせ(性質)や効果的な働かせ方をわかりやすく説明してくれるので、日常生活にうまく生かせるヒントも得ることができます。
例えば、上で引用した箇所。
「やる気を出すには、とにかくやりはじめないといけない。」
なんだか禅問答のようですが、科学的な根拠がある、ということがわかると、納得させられてしまいます。
このブログも、書き始めるまで、すごい時間がかかるんですよね。
一冊本を読んで、ポイントをまとめて文章にして・・・と一連の作業を考えると、なかなかやる気がでません。
ですが一度始めてしまうと、完全に没頭してしまい、あっという間に書き上げてしまうことも珍しくありません。
「やる気を出すには、とにかくやりはじめないといけない。」
ここだけでも、読む価値があったと心から思いました。
私の妻は私が手に取る本はあまり興味を示さないのですが、本書は珍しく最初から最後まで目を通していました。
曰く「すごい面白かった」と。
面白かった、だけじゃなくて、どこかで活かしてくれればいいのですが・・・
(糸井さんからも、奥さんに見せたい、という発言が飛び出しています)
【速読のポイント】
対談の中から大事なポイントをまとめたものが、各章の最後に掲載されています。
章を読み始める前に、このポイントをチェックしておきましょう。
対談形式なので、相手の発言に対する合いの手まで文章化されています。
そういうところは軽く読み飛ばすことができるでしょう。
【こんな人に】
・なかなかやる気が出ない人
・毎日同じことばかりしている人
・頭の働きをよくしたい人
【関連書籍】
こちらの本でも脳のメカニズムを楽しく学ぶことができます。
進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線
【目次】
第1章『脳の導火線』
第2章『海馬は増える』
第3章『脳に効く薬』
第4章『やりすぎが天才をつくる』
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